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共同研究
「いい感じの人生」を、学術的に裏付ける。
この世界には、2つの進路があります。
将来のために選ぶ進路と、好きだから選ぶ進路。
将来の進路は、生活のため、認められるため。だから、お金や偏差値が大切。好きの進路は、楽しみのため。だから、自分のワクワク感が大切です。
「どちらかを選ばなきゃいけない」と考えると、大人でもしんどい。子どもは、もっとしんどい。
その間にある、「いい感じ」の進路を見つけること。それが、ユイロの目指す支援のかたちです。
でも「いい感じ」は、あいまいな言葉です。シンプルに言うと「幸せ」かもしれません。けれど私たちユイロは、あえて「いい感じ」という、あいまいな言葉を使います。「いい感じの進路」は、一人ひとり違う。「いい感じの人生」は、定義しきれない。自分自身で見つけるしかないものだと信じているからです。
感覚だけに頼れば、支援の質は先生によってバラつきます。だから私たちは、「いい感じ」を感覚のままにせず、診断と伴走の型にすることに取り組んできました。その型の出発点は、一人ひとりの「違い」に目を向けること。具体的には、期待と満足のギャップ。つまり、違いがどこにあるかを見える化し、そこから対話を始めます。
その型を学術的に検証するパートナーとして、ウェルビーイング研究の第一人者・前野隆司教授との共同研究を、2025年11月に開始しました。
ユイロ式 —— 自律した大人であり続けるための型
共同研究で検証しているのは、ユイロが独自に開発した「ユイロ式」と呼ぶメソッドです。
なぜやるのか
人生をいい感じにすること。
「将来の進路」と「好きの進路」。この二項対立を手放して、自分なりの「いい感じ」を見つけられるようになること。それが、ユイロが取り組むすべての活動の出発点です。
何を目指すのか
自律した大人であり続けること。
自律とは、何でもできる大人になることではありません。自分が何を大切にしたいかを知っていて(=期待)、今の自分にどれくらい満足しているかを把握できている(=満足)。そのズレに気づいて、調整し続けられる。それが、私たちの考える「自律」です。
どうやるのか
生活・習慣・進路の3領域で、自分の期待と満足を調整し続けられる人を育てること。
これを可視化するのが、ユイロ式自律度診断です。
「生活」—— 毎日の土台を整える。
睡眠、食事、運動、スマホとの距離。朝起きられない子に志望校の話をしても響かないのは当然です。すべてはここから始まります。
「習慣」——自分で考え、動ける力を育てる。
段取りを立てる力、気持ちを切り替える力、途中で投げ出さない力。生まれつきの性格ではなく、日々の積み重ねで伸ばせるもの、付き合い方がわかるものです。
「進路」——自分はどう生きたいかを見つける。
偏差値ではなく、自分が何に心が動くか。何が好きで、誰の役に立ちたいか。自分や社会を知ることが、進路選びの羅針盤になります。
この3つには順番があります。生活が整っていない段階で習慣の話をしても意味がないし、習慣がない段階で進路を考えても定まらない。今どの領域にいるのか。診断を基点に、かかりつけ医のように、適切なタイミングで支援を届ける。これが「ユイロ式」です。
「いい感じ」を、感覚のままにしない。
「いい感じ」は、あいまいな概念です。あいまいだからこそ、一人ひとりに合った支援ができる。でも、あいまいなままでは2つの問題が起きます。
先生による支援の質のバラつき
「いい感じの方向に進んでいるかどうか」を、先生の主観だけで判断していたら、再現性がありません。ある先生は「ここを伸ばそう」と言い、別の先生は「ここが問題だ」と言う。保護者から見ると、何を信じていいかわからない。
ユイロ式自律度診断は、この問題を解決するために生まれました。先生の経験と勘を否定するのではなく、データという共通言語を加えることで、先生ごとの判断のバラつきを減らし、チームとしての支援の質を底上げする。そのための仕組みです。
保護者への説明責任
月額定額で、長期間お子さまをお預かりする。そのとき保護者がいちばん不安に思うのは、「うちの子は、ちゃんと前に進んでいるのか?」ということです。
「なんとなく良くなっている気がします」では、その不安は消えません。「お子さまは今ここにいて、3ヶ月前と比べてここが変わり、次はここを目指しています」——それを感覚ではなくデータで示す必要があります。
だから、学術的な検証が必要だった
ユイロ式自律度診断を「感覚的に良さそう」ではなく、「学術的に妥当」と言える水準まで高めたい。設問の設計は適切か。測定方法に偏りはないか。診断結果に基づく伴走は、実際にお子さまの状態を良い方向に動かしているのか。
これらを客観的に検証できるパートナーとして、ウェルビーイング研究の第一人者・前野隆司教授に共同研究をお願いしました。
共同研究者
前野 隆司(まえの たかし)
1962年生まれ。武蔵野大学ウェルビーイング学部長、慶應義塾大学名誉教授。「人が幸せに生きるとは?」を科学的に検証する「幸福学」の第一人者。著書『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、監修『99%の小学生は気づいていない!?ウェルビーイングの魔法』(Z会)など多数。
『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』(ディスカバー・トゥエンティワン)
『99%の小学生は気づいていない!?ウェルビーイングの魔法』(Z会)
松下さんが「いい感じ」という言葉を使うと聞いたとき、正直に言って、最初はもう少し明確に定義した方がいいのではないかと思いました。
でも、対話を重ねるうちに考えが変わりました。
実は、ウェルビーイング研究が示していることも同じなんです。幸せの形は一人ひとり違うということ。そして、外から与えられた正解ではなく、自分自身で見つけていくプロセスにこそ価値があるということ。「いい感じ」という曖昧さは、弱さではなく、本質を突いた言葉だと感じるようになりました。
一方で、「いい感じ」を目指す支援が、属人的な勘に頼ったままでは再現性がありません。「曖昧だけど測れる」——この一見矛盾した状態をどう実現するかが、私たちの共同研究のテーマです。
ユイロ式自律度診断が測ろうとしている「期待と満足のギャップ」は、ウェルビーイング研究の知見とも整合します。自分が何を大切にしたいかを知っていて、それがどれくらい実現できているかを把握できている。この「自己一致」の状態を増やしていくことが、結果的に幸福度を高めるということは、研究でも示されています。
この共同研究を通じて、ユイロ式自律度診断が学術的な裏付けを持ち、全国のお子さまの「いい感じ」を見つける手助けになることを期待しています。
研究していること
共同研究では、3つのテーマに取り組んでいます。
ユイロ式自律度診断の学術的検証
ユイロ式自律度診断は、生活・習慣・進路の3領域において、お子さま自身の「期待度(こうありたい)」と「満足度(今の状態)」を測り、そのギャップから「今、注力すべき領域」を特定する診断です。
この診断の設問設計や測定方法が、学術的に妥当かどうかを検証しています。具体的には、設問の内容がお子さまの実態を正しく捉えているか、回答の信頼性は十分か、3領域の分け方は適切か、といった観点から分析を行っています。
お子さまの診断結果が、きちんとした根拠に基づいたものであるという安心。「なんとなくの印象」ではなく、検証されたフレームワークでお子さまを見ているという信頼につながります。
「いい感じ」とウェルビーイング因子の関係分析
ユイロが「いい感じ」と呼んでいる状態は、ウェルビーイング研究ではどのように説明できるのか。
前野教授が体系化した幸福の4因子——「やってみよう(自己実現と成長)」「ありがとう(つながりと感謝)」「なんとかなる(前向きと楽観)」「ありのままに(独立と自分らしさ)」——と、ユイロ式自律度診断のスコアがどのように関係するかを分析しています。
たとえば、「習慣」領域の期待と満足の一致が進んだお子さまは、「やってみよう因子」のスコアも高まっているのか。「進路」領域で自己理解が深まったお子さまは、「ありのままに因子」にも変化が見られるのか。こうした相関を明らかにすることで、「いい感じ」を学術的な裏付けとともに説明できるようにする試みです。
「いい感じ」というあいまいな目標が、お子さまの幸福度や自律性と実際に結びついていることが、データで見えるようになります。「うちの子は本当にいい方向に向かっているのか?」という問いに、感覚ではなく根拠をもってお答えできるようになります。
伴走による変化の効果検証
かかりつけ医型の伴走を受けたお子さまの自律度診断スコアが、時間の経過とともにどう変化するかを追跡しています。
3ヶ月に1度の全体診断、毎週のノート整理における注力項目の診断データ、そして先生の伴走記録。これらを統合的に分析することで、「どのような伴走が、どのような変化をもたらすのか」を明らかにしていきます。
「本当にうちの子は変わっているのか?」という疑問に、データで答えられるようになります。また、他のお子さまの変化パターンとの比較ができるようになることで、「この段階では、このくらいの時間がかかるのが一般的です」といった見通しを、根拠をもってお伝えできるようになります。
論文のためではなく、明日の伴走のために。
ユイロの共同研究は、学会で発表して終わりの研究ではありません。研究で得られた知見は、ユイロのサービスを利用するご家庭に3つのメリットとして還元されます。
診断の精度が上がる
設問の改良や新しい測定項目の追加が、お子さまの現在地把握をより正確にします。「今のお子さまに本当に必要なこと」の見立てが的確になり、支援の無駄が減ります。
先生の伴走技術が上がる
「どのような関わり方が、どのような変化につながるか」のデータが蓄積されていきます。ユイロでは、医療機関の症例検討会から着想を得た「教育版の症例研究会」を行っていますが、この研究会で扱うケースの分析精度が、研究データによって高まります。一人の先生が経験したことが、チーム全体の知見として科学的に蓄積されていく仕組みです。
保護者への報告の質が上がる
毎月届く「おうちノート」(保護者向け報告書)のフィードバックに、学術的な裏付けが加わります。「お子さまのこの変化は、研究データから見ても順調な兆候です」「この領域は時間がかかる傾向がありますが、焦る必要はありません」——感覚的な安心ではなく、根拠のある安心を届けられるようになります。
共同研究の歩み
- 2025年11月
前野隆司教授(慶應義塾大学名誉教授/武蔵野大学ウェルビーイング学部長)と共同研究スタート
- 2026年04月
「勉強を教えない家庭教師」サービス開始。診断データの本格的な蓄積を開始
※研究の進捗に応じて、随時更新します。
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