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ユイロ式

YUIRO METHOD

キャリア教育メソッド「ユイロ式」とは

キャリア教育メソッド「ユイロ式」の図:「再現性」と「個別性」の二つを両立することを表す

「ユイロ式」とは、一人ひとりが納得できる進路を選ぶために開発された、ユイロ独自のキャリア教育メソッドです。

ライフスタイル医学、実行機能研究、ウェルビーイング研究などの学術知見と、書籍執筆や学校運営から得た実践知からつくられています。特徴は、先生の経験や生徒のタイプに左右されず対話をはじめられる「再現性」と、そこから一人ひとりのちがいを描いていく「個別性」。この二つを両立させるユイロ式は、「診断」と「伴走」のかたちで、「勉強を教えない家庭教師」や「ユイロ高等学院」など、ユイロすべてのサービスに組み込まれています。

私たちが何を大切にし、子どもとどう向き合うのか。順番にお話しします。

 

CAREER PHILOSOPHY

キャリア観:進路は、ちがいから考える

まわりと自分のちがいを感じている、すべての子のために

ユイロは、学校に行きたくない子のためにあるのではありません。まわりと自分のちがいを感じている、すべての子のためにあります。

学校が合わないというのは、人よりも早く進路の迷いがあらわれただけ。だから私たちは、学校が合うか合わないかで子どもを区別しません。

進路選びは、「選択肢」ではなく「ちがい」から考える

進路に迷ったとき、多くの人は学校や仕事といった目に見える「選択肢」から見はじめます。そうすると、選択肢の情報ばかりが増えて、その手前にあるはずの「ちがい」が抜けてしまう。ユイロはこれを、進路選びのドーナツ化現象と呼んでいます。

学校も、進学も、就職も、留学も。目に見える進路のすべては手段です。手段を選ぶには、まず中心にある自分のちがい(好き嫌いや、どう生きたいか)を知る必要があります。ちがいを知らないままでは、どの進路が自分に合うのか選べません。

  • 進路選びのドーナツ化現象:まわりの選択肢ばかりを見て、中心にある自分の「ちがい」が抜けてしまうことを表した図

進路は、「正解」ではなく「いい感じ」を選ぶもの

進路には2つの軸があります。評価・偏差値などの「社会軸」と、好き嫌い・ありたい姿などの「自分軸」です。

社会軸だけの進路は目に見えやすいけれど、自分にとっていい進路とは限りません。まわりからの評価を気にしすぎると、自分を後回しにしてしまうからです。自分軸だけの進路もわかりやすいけれど、いい進路とはなりにくい。好きだけでは社会で役割を持つことが難しく、孤独や不安を感じやすいものです。

社会軸と自分軸の間にある「いい感じ」の位置を見つけていくこと。それが、ユイロの考える進路選択です。

  • 社会軸(偏差値・収入・評価)と自分軸(好き嫌い・ありたい姿)の間に「いい感じ」の進路を見つける漫画(『漫画でわかるユイロ』より)

イラストは『漫画でわかるユイロ』より抜粋

EDUCATIONAL PHILOSOPHY

教育観:正解のない時代の「聞く教育」

進路には「教える教育」ではなく「聞く教育」が必要だ

「教える教育」は、こたえがあるものに向いています。漢字の書き方も、計算の解き方も、正解があるから教えられる。こうした知識やスキルは、教わることで伸ばすことができます。

一方、「聞く教育」が求められるのは、こたえがないものです。自分は何が好きか。どう生きたいか。どんな進路が自分に合うか。これらに正解はありません。正解のないものは、教わって身につくのではなく、相手の話を聞いたり、自分の話を聞いてもらいながら、見つけていくしかない。

これからの時代、進路選びに正解はありません。だから、教えるのではなく、聞く。自分のちがいに合ったみちを見つけるには、人の話を聞いたり、自分の話を聞いてもらうことが必要です。いまの場所が合わない子にも、これから進むみちに迷う子にも、これは同じです。

  • 教える教育と聞く教育の比較図:教える教育は答えがあるもの(知識・スキル)、聞く教育は答えがないもの(進路・キャリア)に向いている

みんなちがうから、教育は個別がいい

人は、みんなちがいます。だから教育は、一人ひとりに向き合う個別がいい。

でも、たくさんの子を一度に見るには、集団のほうが効率的でした。だから教育は、まず集団から始まりました。そして少しずつ、一人ひとりに合わせる個別へと進んでいます。教える教育のプロである塾業界が、集団授業から個別指導へと進化してきたように。いま学校教育で「個別最適な学び」が大事だと言われるのも、この流れにあります。

同じことが、「聞く教育」にも当てはまります。いま学校でも、対話型の授業や探究学習が広がり、自分の生き方や進路を考える時間が増えてきました。聞く教育も、集団のなかで始まっているのです。けれど、「学校に行きたくない」「進路どうしよう」と、まわりとのちがいに悩む子にいちばん必要なのは、集団での対話ではなく、一人ひとりの話をじっくり聞いてくれる先生ではないでしょうか。

  • 教育は集団から個別へ進む図:教える教育は集団授業から個別指導へ進化した。聞く教育もこれから個別へ進む

学校や家族は、聞く先生になれない

ところが、学校や家族は「聞く先生」になれません。

学校の場合は、先生が忙しすぎて個別の相談にのれない。親の場合は、距離感が遠すぎて、子どもが自分のことを話さない。あるいは距離感が近すぎて、「親だからそう言うんでしょ」と受け流されたり、つい感情的になってしまったり。

どれだけ教育の知識を身につけたとしても、家庭だけの子育ては難しいものです。これは教育の知識の問題ではなく、家族なら当たり前に起こる距離感の問題だからです。

私たちユイロの先生は、全員が子どもを持つ親です。教育のプロであっても、自分の子どもに対しては同じもどかしさを感じています。褒めても叱っても、うまく伝わらない。だからこそ、親でも学校の先生でもない「第3の大人」の存在が不可欠だと確信しています。

  • 親が聞く先生になれない理由の図:距離感が遠すぎると子どもが自分のことを話さない
  • 親が聞く先生になれない理由の図:距離感が近すぎると言葉が素直に届かない

「聞くばかりで、勉強は大丈夫?」とよく聞かれます。

もちろん、勉強は大切です。学力や偏差値などは、認知能力と呼ばれます。そして、その認知能力が伸びるには、非認知能力が土台として必要だと言われています。非認知能力とは、人と関わる力、目標に向かう力、感情をコントロールする力などのこと。相手の話を聞いたり、自分の話を聞いてもらったり。対話を重ねるなかで、非認知能力は伸びていきます。

そもそも、人は自分のことを自分だけでは見られません。他人からは見えているのに、自分では気づいていない自分が、誰にでもあります。その見えない部分は、誰かと話すことでしか見えてきません。だからこそ、まずは聞く先生と、継続的に対話を重ねることが大切です。聞く先生との対話がベースにあって、そこから勉強(認知能力)は伸びていきます。

GOAL

ユイロ式が目指すもの

「ひとりで何でも」できるのではなく、「役割とつながり」をつくれる人に

ユイロ式は、子どもが社会のなかで「自律した大人」であり続けることをめざす、キャリア教育メソッドです。ユイロ式で子どもがどう変わっていくのか、その道すじをお話しします。

めざすのは、自律した大人

ユイロ式がめざすのは、社会のなかで自律して生きられる人を育てることです。

自律とは、ひとりで何でもできることではありません。社会のなかで「役割」と「つながり」を、自分でつくり続けられることです。

ウェルビーイング(幸福)の研究では、人が幸せに生きるには「やりがい」と「つながり」が大切だと言われます。けれど、つながりはつくれても、やりがいのあることを見つけるのは難しい、という人がたくさんいます。

そこでユイロは、「やりがいを見つける」のではなく、「役割をつくる」ことをおすすめしています。はじめからやりがいのあることなんて、ありません。まず役割があって、その役割を果たすうちに、自分なりの意味を見いだし、それがやりがいに変わっていく。やりがいは、探して見つけるものではなく、役割の中から育つものです。

だから、いい感じの進路を選べる人(自律した人)とは、「役割」と「つながり」を、自分でつくり続けられる人。その輪を、家族から、学校や職場へ、地域や社会へと広げ続けられる人なのです。

「進路を選ぶ」ことも同じ。社会のなかで「役割」と「つながり」をつくること。それが、進路を選ぶということであり、ユイロ式の狙いです。

そして人間の一生は、会社の寿命より長い。転職も当たり前になりました。進路選びにも、キャリアづくりにも、終わりはありません。一度選んだら終わりではなく、選び続ける。役割とつながりを、つくり続ける。それが、これからの時代の進路選択・キャリアです。

  • いい感じの進路を選べる人(自律した人)とは、「役割」と「つながり」を自分でつくり続けられる人だと示す図

「いい感じ」の進路は、いきなり選べない

まわりからの評価(社会軸)と、自分の好き嫌い(自分軸)。そのあいだにある「いい感じ」の進路は、いきなりは選べません。言い換えると、いい感じの役割とつながりは、いきなりはつくれない。たどり着くには、3つの段階があります。

生活をする

まず、動いてみること。生活し、活動する。ここでの葛藤は「心」と「体」。動かなきゃと思っても、怖さや不安(心)が体を止める。だから心が整うのを待たず、まず体を動かすことが大切。やる気や意味は、動いたあとからついてきます。

自分を知る

活動するなかで、自分が見えてきます。ここでの葛藤は「他人視点」と「自分視点」。自分では気づかない自分が、誰にでもある。その見えない部分は、誰かと話すことでしか見えてきません。

進路を選ぶ

自分が見えてはじめて、自分に合った進路を選べます。ここでの葛藤は「社会軸」と「自分軸」。まわりの評価も大事。一方で、自分の好き嫌いも大事。だからこそ、両方の間にある、一人ひとりの「いい感じ」を、一緒に探します。

選ぶために知る。知るためにする。やってみないと自分のことはわからないし、自分がわからないと、いい感じの進路も選べません。この順番が、自律への道すじです。

  • 自律への道すじの図:「生活をする」「自分を知る」「進路を選ぶ」の3つの段階を、行ったり来たりしながら進む

ただし、これは全員が同じように進む一本みちではありません。

3つの段階における葛藤の強さは、人によってちがいます。心と体の葛藤は小さいけれど、他人視点と自分視点のズレは大きい。そんなふうに、つまずきやすい段階は一人ひとりちがいます。そもそも進路選びは一度きりではないので、行ったり来たりしながら、何度もこの道すじをたどります。

だから、その子がいまどこの段階にいるのかを、正しくつかむことが欠かせません。一人ひとりちがう自分の現在地を診断で見て、その子に合った道すじを、個別に、聞きながら伴走する。それが、ユイロ式です。

SURVEY

自分の現在地を見える化する診断

「なんとなく」ではなく、「診断」してから伴走する

ユイロの先生は、なんとなく話を聞いたり、ただ寄り添う大人ではありません。診断で自分の現在地を見える化してから、一人ひとりに伴走する。進路支援の専門家です。

ユイロ式自律度診断:自分の現在地を、見える化する

何から始めればいいかは、人によってちがいます。だから、まず診断で自分の現在地を確かめます。診断は、「生活をする」「自分を知る」「進路を選ぶ」の3つの領域・32項目からできています。それぞれの領域に固有の葛藤があることは、前の章でお話ししたとおりです(心と体/他人視点と自分視点/社会軸と自分軸)。

そして、この3つの領域すべてを、もう一つの葛藤が縦に貫いています。「期待」と「満足」のずれです。どれくらい大切にしているか(期待)と、いま、どれくらいできているか(満足)。この2つがずれているところに、その人がいま向き合っている葛藤があらわれます。だから診断では3つの領域を「期待」と「満足」の2軸で測ります。

偏差値が他人との差を測る「他人比較のモノサシ」であるのに対し、ユイロ式自律度診断は自分の中の差を測る「自分比較のモノサシ」です。

  • ユイロ式自律度診断の漫画:3領域・32項目を期待度と満足度の2軸でアンケート調査する(『漫画でわかるユイロ』より)

イラストは『漫画でわかるユイロ』より抜粋

期待と満足をみることで、本当に必要なことがわかる

たとえば「朝すっきり起きたい気持ちは強い(期待が高い)のに、実際はできていない(満足が低い)」とわかれば、そこがいま向き合うべき場所だと見えてきます。期待×満足の2軸で、3つの領域を網羅的に見ていくことで、いきなり進路の話から始めるのではなく、その人がいま本当に必要としているところから始められます。本当に自分に合ったところから始めるから、納得感が生まれやすいのです。

診断結果の傾向には、いくつかのパターンがあります。たとえば、すべての項目で期待が高い人。まわりの理想に合わせて「これくらいできて当然」と思いがちな状態です。傾向がわかれば、いまのその子に合った向き合い方が見えてきます。ただし、これは固定された性格分類ではありません。いまの状態の傾向であり、伴走のなかで変わっていきます。

  • 期待度と満足度の4象限マトリクスの漫画:期待が高く満足が低い「モヤモヤ」ゾーンが伴走のスタート地点(『漫画でわかるユイロ』より)

イラストは『漫画でわかるユイロ』より抜粋

ユイロ式の診断が目指すのは、信頼できる医療機関のような再現性です。医療機関は、担当医が変わっても、患者の症状が何であっても、同じ質で診察できます。ユイロ式も同じ。先生の経験に左右されず、生徒のタイプにも左右されず、効果的な対話がはじめられます。

そして、診断で見えたズレを起点にした伴走のやり方は、一人ひとりにオーダーメイド。ユイロ式の先生同士で伴走のやり方を研究し合うことで、再現性と個別性の両立を目指しています。

PROMISE

ご家庭への約束

一緒に悩んで、人生をいい感じにする。

進路は、正解のない問題です。すぐに解決はできないかもしれない。それでも、一人で悩むのと、一緒に悩んでくれる人がいるのとでは、毎日はまったくちがいます。

学校に合わない。みんなと同じようにできない。まわりとのちがいは、保護者にとって不安の種かもしれません。でも私たちは、ちがいを問題だとは考えません。ちがいがあるからこそ、自分にあった進路を描けるからです。

私たちが考える「いい感じの人生」とは、「いま、私は幸せだ」と日々実感するような時間で満たされている人生。他人からの評価を得るための勉強ではなく、自律した大人になるための学びにあふれる人生です。

一方で、自分のちがいをみつけたり、受け入れたりするのは、一人では大変です。だからこそ私たちは、お子さんともご家庭とも一緒に悩み、ちがいを一緒に見つけ、言葉にし、進路につなげます。

一緒に悩んで、人生をいい感じにする。私たちユイロが、ご家庭に約束することです。

RESEARCH

ユイロの共同研究

慶應義塾大学名誉教授・武蔵野大学ウェルビーイング学部長

ウェルビーイング研究の第一人者・前野隆司教授と共同研究

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ユイロ式は、ウェルビーイング研究の第一人者・前野隆司教授(慶應義塾大学名誉教授)との共同研究を通じて、ユイロ式自律度診断の妥当性を学術的に検証・改良しています。感覚や経験則に頼りがちだった進路支援を学術的な知見やデータで裏付けることで、子どもが納得して自らの進路を選び直せる、再現性の高い支援モデルの構築を目指します。